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こうして猫が来た。 [ねこ と いぬ]

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キタル、6才半。

 2001年の7月、カラスに突かれていたところを、ちょう
ど犬の散歩中だった家人が見つけたネコです。といってもカ
ラスはやはり手強い、犬を連れていなかったら助けられたか
どうか(と、これは家人から聞いた話し)。まだ手のひらに
乗るほどの大きさ。後になって獣医さんで診てもらったら生
後10日くらいとのこと。

 子どもの頃から猫は苦手でした。音もなく忍び寄るあの挙
動、それと脊椎動物なのにまるで軟体動物のような柔らかさ。
目つきだってけっこう鋭い、あの目でじっと見られると、つ
いこちらが目を逸らしてしまう。まぁ、ときには柔和な顔付
きの猫もいますけどね。

 だから、ずっと犬派でした。私の子供時代も何匹かの犬が
家にいました。猫の分かりにくさに比べれば、犬は素直なも
のです。機嫌が良くても悪くても、その原因はほぼ分かりま
す。そこへいくと猫のヤツは。

 そのワタシが、ネコを飼う羽目になるとは・・・

 頭も目も、脚もお腹も、とにかくカラスの鋭い嘴で突っつ
かれたカラダは、見るも哀れな状態でした。というより、も
う息も絶え絶えの瀕死状態。このままカラスの餌食になって
死ぬくらいなら、せめて柔らかいベッドの上で最期を向かえ
させてあげよう。そう考えた家人が、連れて帰ってきたので
す。

 この猫は、いわゆる地域猫です。我が家の周辺に生息して
いるグループの生まれたての赤ちゃんだったのですね。カラ
スにさらわれたときも、きっと母ネコがそばで見ていたに違
いないのです。我が子がカラスに襲われるのを見て、母ネコ
はどんな心情だったのか、これも定めとさっさと諦めるのか、
はたまた悲嘆に暮れるのか、そのあたりは定かには分かりま
せん。

 たぶん同じ頃に生まれて、その地域ネコを全うしている子
達4匹が、現在我が家の玄関前に居ます。ちょっと話は複雑
ですが、その地域ネコグループが居着いていた家が建て替え
のため、居所の無くなってしまった4匹を我が家で面倒をみ
ている、そういうことになります。

 傷ついた子猫を家の中に入れ、タオルとガーゼで即席ベッ
ドをつくり横たえました。耳をネコの顔に近づけると、かろ
うじて呼吸の気配が感じられる程度。もう息も絶え絶え状態。
水やミルクを飲む気力も体力もなく、ただ横たわる子猫の傷
から出ている血をそっと拭いてあげる、これが出来ることの
すべてでした。夕方から夜になって、ときおり様子を見ても
ぴくりとも動かない。可哀想だけど、このまま死ぬのだろう、
この子は。

 いくら一瞬の出会いでも、やはり生き物です。その死はき
ちんと看取ってやらなければならない、と思うものの、さて
どうする?
 翌朝、そんな気持ちで玄関を覗きました。すると、まるで
子鹿のバンビが前脚を「ハ」の字にひろげて、ようやく立つ
ように、傷だらけの子ネコはそこに立っていたのです。
 これは、もう嬉しかったですね。自分の子どもが、無事に
生まれた次に嬉しかった。こりゃ大変だ! 生きてるぞー!
さっ、水、水、それとミルクも!と、九死に一生を得た現場
に立ち会った者の興奮状態ですね。

 それにしても、ひどい傷でした。目の上も肌が割けている、
耳もちぎれそう。脚もひどいところは骨が見えるほど。いや
実際にそこまではいっていないと思うけれど、とにかく子猫
の細い脚はそんな風にも見えました。

 幸い、歩いて三分ほどのところに動物病院があり、人間様
の朝ご飯もそこそこに、連れていきました。全身蚤だらけの
カラダも入念にシャンプーしてもらい、脚にはグルグル巻の
包帯。ちなみにこのときのシャンプーのおかげか、この後も
お風呂が好きで、暴れ回ることもありません。家に戻り、慌
てて買ってきた子猫用のミルクを呑んで、次第にゲンキにな
りました。

拾われて10日目くらいのキタル。
脚の包帯はまだ取れないけれど。もうだいぶ快復しています。

 キタルが我が家の住人になった、これが顛末。 13年前か
ら、これも捨てられていたのを娘が連れてきてしまった犬が
居ます。オマエも不幸だよな〜、せめて名前だけでも縁起良
く!ということで「フク」。その後に来たネコなので「キタ
ル」、あわせてフクキタル。

 このキタル、元気に成長したのですが、半年後にもういち
ど生死の境を彷徨うことに(この話は、いずれまた)。。。
ほんとうに、いま生ているのが不思議なくらいのネコです。
 幾多の難局を乗りこえ、その後は落ち着いた暮らしぶりで
すが、もう一匹いるネコと老犬とあわせて3匹の中で、いち
ばん偉ぶってます。いや人間様を含めてもオレがイチバン!
と思っている節がありあり。人をあごで使い、そして、あぁ、
今日もソファの特等席を占拠している。


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POP

>こんばんは。

人に歴史があるように、
動物すべてに、それがあるのですね。
犬は人と古来より友達。
でも猫は気まま勝手に生きている。
野生味が強いのでしょうね。
やっぱりライオンを同じ仲間なんだな・・・
そう思います。
人間に媚びることなく生きていく・・・
それもまたよしでしょう。
バイク好きの方は猫嫌いの方も、多々見受けられますが(笑)
ちなみに私のR34GTRは
猫の巣になっておしっこ臭いと傷まみれです。
ま、それもよし(笑)
by POP (2008-01-12 22:04) 

響

なんて優しい!
しかし生命力って凄いですね。
毛並みがとってもよくて、とても外から連れて帰った猫とは
思えません。
by (2008-01-13 10:33) 

coco

こんにちは♪

いいお話ですね。
またe-g-gさんの文章が素晴らしいからキタルちゃんとお家の方々との優しい触れ合いが目に見えるようです。
私も犬が好きだったのですが、ある日迷いこんできた猫を育ててからは猫も可愛いナァって思うようになりました♪今は何でも生き物は好きかも?!(*^_^*)
by coco (2008-01-13 16:00) 

tak

へええー、そんな出会いがあったんですか。

私もネコを拾ったことがあります。
っていうか、段ボール箱に入れて、
ウチの前に置いてあったんですが。
(-_-;

しょうがないので、しばらくウチに置きました。
里親さがしに、えらい苦労をさせられましたよ。
by tak (2008-01-13 21:43) 

mio

「キタル」とは猫さんのお名前だったんですね
ここ10数年借家住まいの私は生き物といえば熱帯魚ぐらいしか飼えません
いや、テロリストと2人飼ってた(笑)
ん?嫁様に私は飼いならされてる!?
by mio (2008-01-13 22:26) 

kita

 e-g-gさん おはようございます。
 素晴らしい文章から、e-g-gさんのご家庭の優しさと愛情がうかがえます。
 
 私も猫は苦手です。また犬もドッグ・イヤーといわれるように人間より早く死に
ますので、飼っていません。現在武田百合子の「富士日記」を読んでいますが
愛犬ポコの死の場面など読んでいてつらくなるほどです。が、この文章を拝見
すると時間のできた今、犬を飼ってもいいかなと感じるほどです。

 名前もいいですね。「フク」と「キタル」。昔競馬で「マチカネフクキタル」という
馬がいました。名前のとおり、馬主に福をもたらしました。e-g-gさんちにも福
をもたらすでしょう。

 遅くなりましたが、今年も宜しくお願い申し上げます。
by kita (2008-01-14 09:11) 

daland

こんばんは。
動物は飼い主に似ると言います。
キタル君(男の子ですよね)なかなか凛として風格ありますね。
(でも頑固で我がままそう?失礼しました。)
by daland (2008-01-14 18:07) 

いろは

こんばんは^^
e-g-gさんのご家族は皆さんお優しいのですね〜♪
キタルちゃんは幸せな猫ちゃんですね。
我が家の地域でも野良猫を可愛がっています。
去勢するのに市が補助をしてくれるそうです。
庭猫と言っているんですよ〜(^_^;)
毎日我が家にも遊びに来ます。
by いろは (2008-01-14 18:09) 

e-g-g

◎POPさん
家の中には猫が二匹います。
このキタルは、勝手気ままの極め付き、
もう一匹の方は、ほんの少し人間にも気を使っています。
ネコもいろいろですね。

◎響さん
まぁ、カラスに突っつかれた直後は無惨なものでした。
ほんとうに良く生き延びたものと思います。
どうせなら、長生きしてもらいたいものです。

◎cocoさん
迷い込んできたり、捨てられていたり、
やはりそういったネコの方が愛おしさが湧くでしょうね。
ともかく、仲良くやっていきたいものです。

◎takさん
段ボールのネコ君も、高貴で高価なネコ様も
やはり縁があって誰かに飼われるのでしょう。
で、その里親の元で幸せに暮らしているのでしょうか?
まぁ、ネコの方は拾われた恩など
すぐに忘れてしまうでしょうけどね。

◎mioさん
そう、ネコの名前なんです。
三匹目は「カナ」にして、フクキタルカナ、
と思ったのですが、なぜか「ナナ」という名前です。

>嫁様に私は飼いならされてる!?
これは人間のオスの古来からの習性です。

◎kitaさん
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

ネコも犬も、死んでしまいますからね、
それを考えると、ちょっと憂鬱になります。
でも、それを超えて「何か」を運んできてもくれます。

そして、我が家の「フク」と「キタル」、
とんと福をもたらしてくれません。
ちょっと名前倒れです。

◎dalandさん
凛として風格があるところなど、
飼い主にソックリです、ほんと
ですが、それを上まわるの頑固とワガママ。
飼い主は動物に似ます。

◎いろはさん
野良猫じゃ無愛想、地域猫では硬い!
庭猫って、良い呼び方ですね。

ネコ対策が、あまり行きわたると、
数も減ってしまいそうです。
ほどほどで生き延びることが出来れば、
良いのですけれど。。。
 
by e-g-g (2008-01-15 00:27) 

hiro

優しさに感動しました.
そして、生命の力強さに勇気づけられました.

そして、その優雅な姿にほれぼれしました.
e-g-gさん一家の愛情をいっぱいに受けて育ったからでしょう.

近いうちにぜひ、続編お願いします.
by hiro (2008-01-15 18:57) 

anan

e-g-gさん、こんばんわ。隣のLady Anneに振り回されているananです。

自分のブログ更新もできないのに、キタル君の写真を見て書き込んでます。これは私への応援歌でしょうか?年始早々、数字と格闘せねばならず、心がブログに向きません。

キタル君は本当に原始猫。猫そのものの行動は、猫に育てられたananとしては、非常に分かりやすく、私の稚拙な猫語も通じるのです。

それだけの目にあって生きているのは、本当に強い生命力、すなわち人間なんか睥睨する猫力があるのでしょう。これからも「お仕え申し上げる」の心なく、同居は難しいと拝察いたします。頑張ってください。
by anan (2008-01-15 20:02) 

e-g-g

◎hiroさん こんばんは
優しさなどと言われますと、なんだか面映ゆいです。
とにかく目の前に息も絶え絶えの子猫がいて、
他に対処のしようが浮かばなかったというのが
実際のところです。
でも、元気になったときは嬉しかったですね。
続編はいずれまた書きたいと思います。
 
by e-g-g (2008-01-17 22:34) 

e-g-g

◎ananさん こんばんは
私は猫には縁のない暮らしだったので、
キタルを見て、これが猫か、、、と思いました。
でも、その後にきた「もう一匹」と
そのまた後の、玄関先の地域猫たちをみていると、
やはりみんな違うなぁ、と感心するばかり。
とにかく飽きない彼等です。
彼等は、とっくに飽きているかもしれませんけどね。
まぁ、キタルとはこれからも
仲良く同居させてもらうつもりです。
by e-g-g (2008-01-17 22:40) 

mamire

おはようございます。
我が家もずーーっと犬派でした。
義母様にいたっては、猫を見ればはたきで追いかける有様でした。
それがどうでしょう。
ニャンコが一番なついているのは義母様です。
ニャンコの出会いは偶然が一番多く、 e-g-g さまにしても、それも劇的な場面ですよね。
そして、いつしか、このわがままで、それでいて、ご主人思いで、奥ゆかしいにゃんこにぞっこん惚れていってしまう訳です。
by mamire (2008-01-18 08:17) 

e-g-g

◎mamireさん こんばんは
私のところでも、大の猫嫌いだった義母が、
“同じ猫でも、ここのネコちゃんは違うのよね”
と豹変しました。
猫には不思議な力があるようです。

>わがままで、それでいて、ご主人思いで、奥ゆかしいにゃんこ

言い尽くされてますね、まったく同感です。
ともかく、ネコがこれほど人なつっこいとは思っていませんでした。
by e-g-g (2008-01-18 23:31) 

HEIJI

自分もどちらかといえば犬派です。
でも、こういう状況だったらきっと飼ってたと思います。
猫もいいですよね。
3年前にもらったのが犬でも猫でもなく、コスモスのタネだったということなのかな、なんて思ったりするこの頃です。
by HEIJI (2008-01-19 21:46) 

e-g-g

◎HEIJI☆さん
偶然に出会って、以来いっしょに暮らす。
これも、縁でしょう。
縁にならない関係が圧倒的多数であることを考えると、
どこでどう結びつくのか、やはり不思議さを感じますね。

HEIJI☆さんの目の前にも、
コスモスのタネの次の縁が
ある日突然現れるかもしれませんよ。
by e-g-g (2008-01-20 23:29) 

キタル君、凛々しい猫に成長しましたね。
ウチの2匹も、いろんなドラマの末に今居ます。
猫とチョウが嫌いなダンナとはつゆ知らず・・・・
そんな嫁を貰ったことを後悔しているかもしれません。

18歳を迎えるミミは内臓の問題なさそうなのですが・・・
白内障なのか・・・最近、眼が見えていないかと思うことしばしば。
あのままならとっくに死んでいたであろう命、
猫しか幸せにはできないけれど、
陽だまりで寝ている姿を見ると、幸せなのはこっちなんだな~。
by (2008-01-22 11:27) 

e-g-g

◎こぎんさん おはようございます。
ワタクシ、猫はずっと嫌いでした。
蝶もどちらかといえば苦手、、、
で、ネコの方は180°変わりましたね〜
君子豹変、あっ、君子猫変です。

18歳ですか、もうひとつの歴史ですね。
紋切り型ですけどね、末永くお元気で。

今朝は雪。
さて、ガレージに居る三匹の地域猫用に
カイロを補充しなければ、、、
by e-g-g (2008-01-23 10:48) 

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