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秋の日の名越切通 [逗子とその周辺]

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日曜日の明るい陽差しを浴びる住宅地、
区画整理されたそのいちばん奥から唐突に名越切通がはじまる。
いや、もともと切り通しからの道が通っていた山地に
“唐突に”住宅街ができた、それが正確な言い方だろう。
鎌倉と三浦、房総を結ぶ要路上に家々が立ち並んだのは、
いまから半世紀も前、東京オリンピックの頃という。

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臨時公開中の“まんだら堂やぐら群”をたずねる。
切り通しの入口からは、歩いてもほんの数分。
住宅地と隣り合わせの中世の遺構は
時間の感覚が少し狂うようなタイムカプセルだ。

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いくらかの葉が落ち、明るさの増した尾根道、
絵に描いたような小春日和、
すれ違うのは圧倒的に中高年の人々、私もそのひとり。
二人の小さな女の子を連れたお父さんが歩いてくる、なんだか嬉しい。
小さな背中に小さなデイパック、
お父さんの“行くぞ!”のひと言で連れてこられた?
あの子たちは、大人になってもこの道を覚えているだろうか?

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秋の日を受けた相模湾はとても穏やかな表情、
肉眼ではうっすらと見える大島が写らない。
ま、それよりも、丘の先の小坪港にあがっている(はずの)魚たちが気になる。

一時間半後、歩き始めた“入口”に戻る。
昼下がりの住宅街を歩きながら、昔の様子を想像する。
開発以前、いや一足飛びに鎌倉時代はどんな所だったのかと。

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美術の秋、でもあるし。 [日々の記録]

高校の美術部に入ったのは二年生になってからだった。
美術系の学校を受けるなら、やはり入っておくべき、
デッサンくらいしっかりやろう!
と、それまでのラグビー部から鞍替え。
1965年、いまから四十数年昔の話。

その美術部OB会の合同展が14回目を迎え、
今年の展示が今日からはじまった。

今回、半ば強引に誘われて、案内ハガキにも名前を載せられてしまった。
もう逃げるわけにはいかない。
高校当時の顧問の先生からも背中を押され、
腹を括って、これまでに描いたなかから五点を出品。

設営を終えて開場までのわずかな時間、全体を見渡す。
しみじみと、みんな一生懸命に描いているなぁ

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逗子海岸の流鏑馬。 [逗子とその周辺]

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11月18日、逗子海岸・流鏑馬を見物。
ひと月ほど逆戻りしたような強い陽差しの逗子海岸、
波打ち際には的の在処を示す幕、
その白地には鮮やかに染め抜かれた武田菱の紋。

二町(約218m)を駆け抜ける馬と射手、「的」はその間に三つ。
その疾走する姿は想像していたよりもはるかに速い。
会場のアナウンスを聞いていると全部で六頭のうち、
何頭かはサラブレッドらしい、速さとともに美しい。

鏑矢の当たった「的」がカーンと乾いた音を響かせる。
その音の後ろに波の音、そして低く響く馬の蹄、
海岸ならではの流鏑馬の光景。

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三つの的を見事に射止める射手もいれば、
二つ目、三つ目の的を狙う「いとま」が無く、失敗する射手もいる。
“人馬一体というじゃないか、馬ももっとゆっくり走ってやれよ”
と見物客からの声、周囲も思わず笑う。

疾走(と言う言葉が実に似合う)する馬上で、
手綱を放し矢を射る姿は見事なもの、形式の美を感じる。
驚いたのは二人(いや三人かな?)の女性の射手。
馬は少し小振りに見える、
走る速度も一番の熟達者に比べると少し遅いように見えるが、
それでも十分に速い。
馬を操り、弓を引き、矢を放つ、
その力仕事の大変さはみじんも感じさせない。
形を求め形を極める日本美の特質が、ここにも現れているのだ。

久しぶりに“格好良い”という言葉が浮かんだ。

肝心の的を射る瞬間は上手く撮ることができなかった。
カメラのオートフォーカスをオンにしたままだったので、
どのカットもみなピントが後ろに合ってしまった、失敗。
(動く被写体を追うオートフォーカス・モードもあるというのに)

はじめて見る流鏑馬は、思った以上に清々しく端正で美しかった。
装束は、鎧直衣、行縢、射沓、太刀の鞘、金糸の家紋、
そして、脇の弓と腰に差した矢、もちろん馬も立派な衣装(というのか)。
ちょっと大袈裟なようだが、
気持ちの奥の何かが揺さぶられる、そんな凛々しい美しさ、完成度が高い。

来春の鶴岡八幡宮の流鏑馬が楽しみだ。

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